クラブチームは方言を持つ地方のようなものであって、「郷に入っては郷に従え(ごうにいってはごうにしたがえ)」なんだと思います。
地方における標準語
関東に生まれ育つと、気を付けていても、全国的に「標準語(あるいは、東京近郊で使われている共通語)」が通じると勘違いしてしまいます。もちろん、最低限の意味は通じますが、ニュアンスといいますか、表現の強さなどについてはあまり通じてないと感じるときがあります。
方言のある地方では、その地方特有の「標準語の捉え方」があるのは知っています。かっこつけている感じがしたり、よそよそしい感じがしたり・・・残念ながら、わたしは、そのニュアンスがわかりません。
出身地域に対する配慮
学校のOBで構成されているバスケットボールのクラブチームでは、メンバーの出身地域が同じなので、方言の問題が全くないでしょう。しかし、クラブチームにおいては、出身地域の異なるメンバーに応じて、コミュニケーションでは気遣わないとならないと思います。
表現レベル
出身地域の相違とは別に、チームでは「そのチームの雰囲気」と申しますか、徐々に出来上がる「表現のレベル」のようなものが存在すると思います。
「強く激しく表現している」からと言って、怒っているわけでも、叱っているわけでもなく、ただの希望だったり、指摘だったりすることは良くあることでしょう。そのニュアンスは、部外者からは分からないし、分かる必要も無いでしょう。
反対に優しく丁寧に説明していることでも、実は、緊迫した状況での強い指示であることもあります。
「気遣いのある」表現レベル
他所のチームを観察していると、コーチやリーダー的立場の人が、非常に気を遣い言葉を選びながら、指示や指摘をしている風景を目にします。
このようなコミュニケーションの気遣いが目立つチームは、安定して存続し、チーム力が向上していくように感じます。
「いつも怒っている?」表現レベル
見ていて「怒ってるの?」「激しく叱ってるの?」と感じるチームもあります。
非難の応酬で、試合中に自滅して行くチームがあります。あるいは、いつの間にか消滅していくクラブチームもあります。
寄せ集めのチームで、結成後、すぐに実力を発揮するチームにおいては、激しいやりとりを目にします。短い時間で、ケミストリーを構成して行くためには、激しい/厳しい表現が必要なのでしょう。寄せ集めだと、共有するバックグラウンドも無いので、エゴをぶつけ合いながら調整して行くしか無いのでしょう。
歴史あるチームの表現レベル
長い間存続すればいいというものではありませんが、起源が古く、長い間存続しているチームはそれだけで尊敬に値するものだと思っています。
そのようなクラブチームの多くは、メンバーが多いです。チーム内で、激しい表現や厳しい表現が使われることはほとんどありません。部外者から見るとソフトに見えることでしょう。
郷に入っては郷に従え
プレイヤーはチーム固有の「表現のレベル」に合わせて、互いに気遣う必要があると思います。さらに、有能なプレイヤーほど、厳しい目で見られることでしょう。
愚行
歴史あるチームのシンちゃん(仮名)は、有能なプレイヤーなので、チーム内外で注目されています。チームメイトの◯上さん(仮名)は、九州訛りが残る県代表レベルのプレイヤーで、シンちゃんより5つ歳上です。
◯上さんが(シンちゃんのために)ドライブしてディフェンスを収縮させ、キックアウトしてくれたのに、(そんなプレーを好まなかったシンちゃんは全く動かなかったから)パスはそのままコートの外に出て行きました。
そのとき、二人はあからさまにプイッと相手を非難する感じで、ディフェンスに戻って行きました。すでに勝利が決まった、点差が開いている第4ピリオドなのに。
注意
シンちゃんには考えがあって、プレイが噛み合なかったのでしょう。ですから、誰が正しい/間違っているということではなく、単純に上手くいかなかったプレイです。
しかし、歴史あるチームでは、他人に敬意を払った行動をしなければならないです。ましてや先輩がシンちゃんのためにクリエイトしてくれたので、敬意を払って欲しいと注意しました。
◯上さんは九州弁特有の投げやりな感じがあるとともに、大きな身体が迫力満点です。皆さん、そのことを理解しているけど、それでもプイッとされると必要以上に迫力があります。
チームメイトは、些細な仕草も見ています。スキルのみならず、お二人は手本とならなければならないでしょう。歴史あるチームでプレイしているのですから。
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