バイクのアンチエージング効果と、運転免許証の自主返納に関する雑感です。
バイクのアンチエージング効果
ヤマハ発動機(株)は、国立大学法人東北大学の加齢医学研究所・川島隆太研究室と共同で「二輪車乗車と脳の活性化の関係」についての研究をし、二輪車乗車が脳の活性化に影響することを証明しました。
「“二輪車乗車と脳の活性化の関係”についての研究結果発表について」から引用します。
- 二輪車を乗車することにより、運転者の脳が活性化されること
- 現役ライダーとブランクのあるライダーとでは、脳の使い方や活性化に違いが生じること
- 日常生活に二輪車乗車を取り入れることにより、様々な脳認知機能(特に前頭前野機能)が向上し、さらにメンタルヘルスにおいてもストレスの軽減や脳と心の健康にポジティブな影響を与えること
上記は、今ひとつ具体的な表現ではないので、分かりにくいかもしれません。その場合、下記の記事をご覧になれば、良く分かるでしょう。ただし、バイク好きによる記事です。
大雑把には、次の通りです。
週1回程度以上、マニュアル操作のバイクに乗るベテランライダーは、運転操作において様々な情報を論理的に処理している。
脳の前頭前野が活性化し鍛えられ、特に認知機能「記憶力・思考力・判断力」が向上する。
この通りなら、バイクは確かにアンチエージング効果があると思います。
運転免許証の自主返納
現在、世の中は、「高齢者になったら自動車を運転することをやめましょう!」という考えです。高齢者には、運転免許証を自主返納を勧めています。街中での悲惨な交通事故が目立ったことが、主な動機でしょう。
わたしも運転に適さない人が、自動車を運転することには反対です。
でも、返納時期が明確でないことが残念です。
もちろん、高齢者になっても人それぞれコンディションが異なりますし、運転するシーンや必要性もまちまちなので、一様に返納時期を定義することが無理なのは承知しています。
だからといって、家族の意見も期待した上での、自主返納に頼るのは、どうもしっくりと来ません。
高齢者運転免許自主返納サポート
神奈川県警察では「神奈川県高齢者運転免許自主返納サポート」として、情報公開してくれています。その中の「運転免許証の自主返納制度について」の説明を引用します。
運転免許の自主返納制度は、加齢に伴う身体機能や認知機能の変化により、運転に不安を感じている高齢運転者や交通事故を心配する家族等周辺の方々から相談が寄せられていたこともあり、運転を継続する意思がなく、運転免許証を返納したいという方のために、自主的に運転免許取り消しの申請ができるように、道路交通法の一部を改正し、平成10年4月1日から制度化したものであります。
神奈川県高齢者運転免許自主返納サポート から引用
現在できることが、ここまでであることは理解できます。でも本当の心配は自覚が足りない人ですよね? 「老化して周りは心配しているけど、本人が運転を継続したい」場合ですよね。
老化
わたしは還暦まで、まだ何年もありますが、自覚できる老化をいくつも抱えています。
バスケットボールをしていますが、若い人とプレイすれば、スピード/加速/反応・・・どれをとっても老化を感じさせられます。だから、年齢制限(◯歳以上)のある大会があるのですが。
バスケットボールで老化を感じるからといって、即、交通社会での運転技量に影響があるようでは、交通システムが間違っていると思います。しかし、どの程度の老化から、運転することに慎重にならなければならないのでしょうか?
運転免許証の自主返納を考えなければならない老化は、どんな感じなのでしょう?
下記の書籍は、高齢ドライバーがいつまでも安全に運転するためにできることは何かを解説したものです。
しかし、対象が結構な高齢者です。
もう少し若い人が取り組める仕組みや、参考になることを、公共のサポートとして用意して欲しいのですが、それは、甘えた考えなのでしょうか。
バイクの運転免許証も自主返納を促すのか?
大きなバイクを操作できるのなら、高齢者であっても身体機能はそれほど衰えていないと思います。運転に必要な「認知・判断・操作」の内、操作は大丈夫なのかもしれません。
残りの「認知・判断」は、バイクのアンチエージング効果により鍛えられ向上することが分かっています。
すると、自主返納を検討する時期はいつ? 生涯、自主返納を促されることはないのでしょうか?
統計的に事故の多くがリターン・ライダー(昔乗っていて、ブランクの後、再度バイクに乗る人)だとすると、ベテランライダーは何を頼りにバイクを降りることを検討すればよいのでしょう?
倒れたバイクを起こせて、取り回せるのなら、生涯乗っていてもいいのだろうか? そんなワケないでしょう。客観性のある検討材料を提供してくれる仕組みが欲しいです。
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