まず、会よりはじめよ!

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kathe buskによるPixabayからの画像
  • バスケットボールのシュートにも弓道の「会(かい)」のようなものが存在していると思うですが、いかがでしょう?
  • 特に、フリースローやワンドリブルできるほどのオープンショット。

この記事は、バスケットボール・プレイヤーのための「会(かい)」の説明です。

本記事を最後までご覧になって、あなたのショットの参考になりましたら幸いです。なお、本記事は個人的な考えに過ぎません。


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射法八節

弓道では、弓を引いて放つのを射法と言いますが、

射法とは、弓を引く初めの一歩
弓矢で射を行う場合の射術の基本ルール。
弓道を修練する場合は基準であり、法則である射法を十分に理解することが必要です。

射法について|公益財団法人全日本弓道連盟 から引用

射法八節とは、射法の一連動作です。引用元から射法八節を転載したのが下表です。(引用元の方が、イラストもあり分かり易いです)

1足踏み(あしぶみ)足を開き、正しい姿勢を作る
2胴造り(どうづくり)弓を左膝に置き、右手は右の腰にとる
3弓構え(ゆみがまえ)右手を弦にかけ、左手(手の内)を整えてから的を見る
4打起こし(うちおこし)弓構えの位置から、静かに両拳を同じ高さに持ち上げる
5引分け(ひきわけ)打起こした弓を、左右均等に引分ける
6会(かい)引分けが完了し、心身が1つになり、発射のタイミングが熟すのを待つ
7離れ(はなれ)胸郭(きょうかく)を広く開いて、弓を放つ
8残心(残身・ざんしん)射の総決算。矢が離れたときの姿勢をしばらく保つ

射法八節には、次の注意が書かれています。分かるようで分からない竹のたとえですが、古くから伝わる弓道の奥深さを感じさせます。

8つの動作は区分されていますが、終始関連して一つの流れを作り、動作と動作の間が分離・断絶してはなりません。
一射を一本の竹に例えると、竹に8つの節(ふし)があるのと同じこと。つまり、8つの節は相互に関連する一本の竹でありながら、一節(ひとふし)ごとに異なった8つの節であることを意識することが大切なのです。

射法について|公益財団法人全日本弓道連盟 から引用

会(かい)

さて、お気付きかもしれませんが、射法八節の「6. 会(かい)」だけは、その説明に動作が含まれません。

実際に弓を放つのは、「7. 離れ(はなれ)」なので、動作にだけ着目すると「6. 会(かい)」は無用です。しかしそれでも「6. 会(かい)」があるのは、欠かすことの出来ない大切な動作の一部なのでしょう。

射法八節が射法の一連動作といいながら、動作が定義されていない「6. 会(かい)」が存在することは、正確な動作のヒントであると感じさせます。

「6. 会(かい)」は、「呼吸を詰めず、お腹の力が八分九分に満ちるのを待ちます。」と説明されています。

「早気(はやけ)」と「もたれ」

会(かい)は、「引分けが完了し、心身が1つになり、発射のタイミングが熟すのを待つ」のですが、発射のタイミングが熟すのを待ちきれずに発射してしまうのが、早気(はやけ)です。

早気(はやけ)はイップスに近いものと捉えられています。アーチェリーでも「ターゲットパニック」として捉えられています。

「もたれ」は、発射のタイミングが熟したのを逸してしまう状態です。「もたれ」もイップスと関連して取り上げられることがあります。

フリースローにおける「会(かい)」

フリースローは、ルール上「ボールを受け取ってから5秒」で打たないとならないので、「心身が1つになり、打つタイミングが熟すのを待つ」のは難しいです。

それでも、「早気(はやけ)」や「もたれ」のような感じになることは起こりうる気がします。実際、チームメイトの中には「早気(はやけ)」になってしまっている人を思い浮かべることができます。「もたれ」も。

「会(かい)」のときの姿勢は、ボールと身体を下げて止まり、これからボールが上昇するタイミングではないでしょうか。このとき、ボールは腰の辺りの場合が多いですが、頭の上かもしれません。

この短い時間の静止で「心身が1つになり、打つタイミングが熟すのを待つ」ことができるかどうかが、成功率に大きく影響している気がします。

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