- あなたの嫁ポイントは、十分にありますか?
- 嫁ポイントがいつも足りなくて、不自由な思いをしていませんか?
分かる人には笑える話ですが、あなたは「嫁ポイント」を知っていますか? わたしは近年知りました。「嫁ポイント」は、(バカ)男社会のスラングです。
使用例
バスケットボールに参加できるかどうかが話題になったときに知りました。ホント、男はバカです。
あなたの周囲でも使われていますか? 例えば、こんな使い方を聞きました。
- 「嫁ポイントが無い」
- 愚行により旦那の評価が下がり、旦那がバスケットボールしに行けない状態
- 「嫁ポイント、ガッツリ使っちゃったね」
- 妻のひんしゅくを買いながらも、バスケットボールに行くことの許可を渋々得たときに、それを知った(ませた)子ども(女)が「傷口に塩を塗る」目的で使った言葉
- 「奥さまが出掛ける用事があるので、早く帰る約束をしていたのに、それを忘れて仕事をスケジューリングしたので、ポイントを失いました」
ホント、男はバカです。
「嫁ポイント」を検索してみた
まずは「嫁ポイント」でインターネット検索をしてみました。「嫁ポイント」を同じ意味で使用しているブログ記事がありました。
記事タイトル「人生で大事なことはYPに学んだ 」がウケます。
「YPがそろそろなくなるから今日はやめておくわ」
人生で大事なことはYPに学んだ から引用
最近子供が生まれた先輩社員が、こんなことを言っていた。
ここは食事室。
多くの社員がここで食事をする。
「そんなこと言うなよ、飲みに行こうよ」
同僚の男性社員が、どうやら今晩のお供に誘っている様子。
「やばいんだよ、今月、YPがさ」
「何だよ、YPって」
そう聞かれると、先輩は嬉しそうに声を出して笑った。
「決まってんだろ、嫁ポイントだよ」
二人の会話を聞いてしまったのは、偶然だったけれど、
なるほど、夫婦関係を円満にするには、尽くすことが大事なのか。
先輩が毎日、保育園に子供を迎えに行っているのも、嫁ポイントに反映されているのだろうなぁ。
定時になると、いつも急いで帰社する先輩の姿を見て、大変だなぁと思っていた。
人に尽くすことには、気持ちの余裕がないとできない。
なのになぜだろう。
先輩がお子さんや奥さんの話をするとき、決まって嬉しそうに話すのは。
(途中省略)
しかし、毎日誰かのために頑張る日々も素敵だが、人間がんばりすぎてもいけない。
例えば自分を犠牲にしてまで、残業していると、体を壊してしまう。
人に気を遣いすぎるのも、いつもいい人でいなきゃいけなくなるから、結構辛い。
いつも家族のことばかり考えているのも、余計な悩みまで抱えてしまいそうだ。
学校でも仕事でも家族サービスでも、
最近自分ばかりが頑張りすぎてるな、なんて思ったときには、ポイントを配るのを休めばいい。
ずっと、尽くすだけでいなくていい。
がんばって貯めたポイントは、他の場所に還元したっていい。
時には自分だけのために、貯めたポイントを使って、飲みに行ったり、旅行に行ったりしていいんだ。
みんなががんばっていても、自分のやることがないならさっさと帰って好きなことでもすればいい。大丈夫、いつも稼いでるポイントがあるのだから。
ポイントと考えれば、周りも自分も、両方大事にしていけるのではないか。
そんなことを思って、先輩のYPにやっと納得したのだった。
面白い話かもしれないけれど、行動規範としてあまり良くないと思います。どのように良くないのかをこれから説明しましょう。
嫁ポイント制度は旦那を堕落させる?
例えば、「掃除をすると部屋がきれいになり、部屋がきれいになると気持ちよいから、掃除をするのが好き」だったとしましょう。
ここに、嫁ポイント制度を導入すると
- 掃除をすると、(家事に協力したということで)嫁ポイントが加算される
- 掃除をすることに、嫁ポイントを加算するという動機が加わる
これは、「掃除をするのが好きだからやる」という内発的動機づけによって行われた行為に、「嫁ポイントが加算される」という外発的動機づけが行われたことを意味します。これは、教育では有名な「アンダーマイニング効果」そのものです。
特に外からの働きかけがなくても勉強している子どもに外的報酬をあげるのは内発的動機づけが低下させることになる。報酬をもらえるという期待がないと、学習しなくなる可能性がある。
Wikipedia から引用
良く分かるように、旦那の行動に置き換えてみましょう。
特に外からの働きかけがなくても家事に協力している旦那に嫁ポイントをあげるのは元々のやる気を低下させることになる。嫁ポイントがもらえるという期待がないと、家事をしなくなる可能性がある。
笑えますね。でも、「アンダーマイニング効果」は、悪いことばかりではありません。
ただ、報酬が悪影響しかないかというと、賞をめざしてがんばっている人たちをみればわかるように、行動を促すプラスの効果がある。これはエンハンシング効果(enhancing effect)またはエンハンシング現象(enhancing phenomenon)と呼ばれる。
Wikipedia から引用
まぁ、「奥さまのために」ではなく、「嫁ポイントのために」頑張ってね!
嫁ポイント攻略法
つまりだ! 嫁ポイントのことは忘れましょう。純粋に家族と過ごすことを楽しもう! なんちゃって。
あるいは、エンハンシング効果をねらって、奥さまのウケだけを行動規範にしよう!
まさか、嫁ポイントがザクザク貯まる方法が書いてあるかと期待して、ここまで読みました? ホント、男はバカです。
チームメイトとしての希望
- バスケットボールへの参加は「嫁ポイント」によらない最優先なことにして欲しい
- 嫁ポイントの消費と加算の世界から除外して欲しい
- 暗黙的に「参加する」であり、「参加しない」は緊急の異常事態にして欲しい
とは言え、社会生活を営んでいるオトナですから、上手く対処して!
失礼いたしました。
コメント