暑さにどこまで耐えられるのか

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Gerd AltmannによるPixabayからの画像

急に夏が来た今年(2019年)は、体調を崩している人が多い気がします。わたしも今年はあまり上手く適応できていない気がします。

快晴の昼間、気温は33度程度なのに、バイクでの移動が苦しいです。日中の熱が残った体育館での練習が苦しいです。

この記事は、真夏にバスケットボールをする馬鹿らしさや、カラダを冷やすことについての雑感です。


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埼玉の体育館は暑い!

一日の気温差(最低気温/最高気温の幅)においても、年間の気温差においても、海が近ければ気温差が小さく、内陸ほど大きいことは良く知られています。

関東では、埼玉の熊谷などの最高気温は有名ですが、熊谷でなくても埼玉/群馬/栃木は暑いです。(もちろん、最低気温も低いです)

埼玉の空調がない体育館で、真夏にバスケットボールをした経験がありますが、思い出すだけでもゲンナリします。ロビーにも冷房がないので、カラダを冷やせる場所がないのには参りました。

東京23区の体育館は、冷房完備のところがほとんどなので困ることはありません。

深部体温は40度が限界?

人の限界は、深部体温が40度などと言われますが、本当の限界はどこにあるのでしょうか?

ヒトの限界については、とても興味があります。「人体の限界を知り、健康的な生活を送るための画期的な科学教養書」として出版されている、山﨑昌廣著「人体の限界 人はどこまで耐えられるのか 人の能力はどこまで伸ばせるのか」は、読みたい本の一つです。

目次を転載します。高温の限界は「第5章 適応機能」です。

第1章 運動機能
01 速く走る限界(速度)
02 長く走る限界(距離&時間)
03 全身持久力
04 歩行と健康
05 山登り
06 筋力・筋パワー
07 有酸素運動と無酸素運動
08 運動による疲労
09 投げる能力
10 跳ぶ能力
11 泳ぐ能力
12 潜る能力
13 横たわる限界

第2章 神経機能
14 見る力
15 聴く力
16 嗅ぐ力
17 味の認識力
18 サーカディアンリズム
19 時差ぼけと交替制勤務
20 心拍数の限界
21 高血
22 排尿
23 排便
24 男性の更年期障害
25 敏捷
26 バランスを保つ限界

第3章 心理機能
27 ストレス
28 キレる(切れる
29 社交不安
30 あがり
31 やる気の創出
32 記憶
33 睡眠不足
34 覚醒限界
35 適応障害
36 認知限界
37 受動的学習と能動的学習
38 フローとゾーン
39 反応の限界

第4章 代謝機能
40 ダイエット
41 エネルギー消費量と摂取量
42 糖質制限
43 脂質制限
44 体脂肪
45 コレステロール
46 タンパク質の必要量
47 ミネラルの摂取限界
48 ビタミンの摂取限界
49 食物繊維
50 塩分摂取の許容限界
51 GI 値とGL 値
52 飲酒の許容限界

第5章 適応機能
53 健康維持
54 寿命の限界
55 老化
56 身長の限界
57 体重の限界
58 骨の力
59 高体温の限界
60 脱水と発汗の限界
61 熱中症
62 低体温
63 やけど
64 食中毒
65 喫煙の許容限界

真夏のバスケットボール

そもそも、なんで真夏にバスケットボールの試合をするのでしょう? 

バスケットボールの起源は、「雪が積もった屋外ではなく、体育館で行えるウインタースポーツ」として誕生したはずです。真夏はやめましょうよ。

東京23区の体育館のように、冷房が効いているならまだしも、そこにいるだけで暑過ぎるような体育館での試合は苦痛です。パフォーマンスも著しく低下していると思います。

一年を通して試合がスケジュールされるシニアのリーグ戦がありますが、真夏には得点が低くなります。ちゃんと統計を取ったわけではありませんが、次のような感じになっています。(8分ピリオド)

季節チームの得点
真夏(と真冬)40点前後
それ以外50点〜70点

暑熱馴化

下記の記事に書きました通り、ヒトは暑さに慣れてある程度は対応できるようになります。しかし、深部体温が40度に近づいたら、もう無理なのです。

シニアの市民プレイヤーは、もう少し対応できる余地があるでしょう。言い換えると、もう少しトレーニングを積めば、適応できる余地があるように思えます。

でもそこまでする必要があるのでしょうか。

脳は先回りする

ヒトのカラダは良く出来たもので、先回りして対応します。つまり、体温が上昇してカラダに負担が掛かる前に、周囲の温度からカラダに負担が掛かることを察知して、パフォーマンスが悪くなります。(出典は忘れました。ごめんなさい)

トレーニングによって、脳の先回りをある程度抑制することができる気がします。

でもそこまでする必要があるのでしょうか。

カラダを冷やす

パフォーマンスが低下するのを防ぐには、深部体温が上がり過ぎないような対策をすれば良いと思います。

具体的には次のような策で、パフォーマンスは改善するのではないでしょうか。

  • プレイイング・タイムを制限する
    • 体温が上がり過ぎないようにする
  • 氷や保冷剤を用意して、カラダを冷やす
    • 首、脇の下などの血管を冷やす

でも、忠実に実行しているチームを見たことがありません。なぜなのだろう?

そもそも、氷や保冷剤を用意している人は、なかなか見掛けません。なぜなのだろう?

次のどれかですよね?

  • カラダを冷やす必要を感じていない?
  • 暑くて、パフォーマンスが悪くなっているのを感じていない?
  • 氷や保冷剤を用意する手間が嫌だから、用意しない?

どの理由であっても、「人間らしい鈍感さ」とか「人間らしい愚かさ」を感じます。

カラダ冷却装置

体育館の空調は費用が掛かることですし、簡単に準備できるものではないでしょう。空間が冷やせないのなら、カラダを直接冷却できないものでしょうか?

わたしはまったく知らなかったのですが、カラダを直接冷やす今年のヒット商品「ネッククーラーmini」があります。首の血管を冷やすことでカラダを冷却します。(週間アスキーインプレスに紹介記事があります)

電源を必要とする「ペルティエ素子」を使った冷却装置です。周囲の温度と比較してマイナス13度で冷却し続けることができる商品です。連続使用は2時間に制限されています。

装置を改良して、競技に使えるように出来ないものでしょうか? 首を覆うソフトな冷却部分にして、ファンによる強制放熱は(競技中は動き続けることで放熱出来るから)省略できそうに思えます。

多分、在庫が無くてすぐには買えないと思います。紹介しておきながら、申し訳ありません。

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