神話のウソ「喉が渇く前に飲め!」

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水分補給は「喉が渇いてからでは遅い。喉が渇く前に飲むのが正しい」と盲信していませんか?

実は、喉が渇く前に水分補給することには、危険が伴う場合があります。喉が渇く前に飲むと、既に十分足りているのに、水分補給するかもしれません。過剰に水分摂取することはカラダに害があります。

本記事では、過剰に水分を摂取する危険を説明した上で、予防法を紹介します。運動時の水分補給は欠かせない大切なものですが、水分を摂りすぎないことにも注意が必要です。


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はじめに

カラダの水分が足りなくなっても、のどの渇きを感じるまでには時間が掛かるから「喉が渇く前にこまめに水分補給しましょう」ということを全否定するものではありません。熱中症予防、特に高齢者が喉の渇きを感じにくいことから、啓蒙されていることは概ね正しいと思います。

水中毒

水分補給で水を取り過ぎる危険については、あまり知られていないと思います。

水中毒(みずちゅうどく、water intoxication)とは、過剰の水分摂取によって生じる中毒症状であり、具体的には低ナトリウム血症や痙攣を生じ、重症では死亡に至る。人間の腎臓が持つ最大の利尿速度は、毎分16mLであるため、これを超える速度で水分を摂取すると、体内の水分過剰で細胞が膨化し、希釈性低ナトリウム血症を引き起こす水中毒に陥る。

Wikipedia から引用 赤字は追記

例えば、マラソンですべての給水ポイントで十分過ぎる水分補給をすると、低ナトリウム血症になる危険があるそうです。

喉が乾いたときに(だけ)飲むことが望ましい

それまでは『レース中は喉が乾く前に水を飲め』が常識だったのが、『喉が乾いたときに(だけ)飲むことが望ましい』と変更されたのです。水に限らず、エイドのスポーツドリンクは塩分濃度が薄いため、飲み過ぎてしまうとこの病態を引き起こしてしまいます。2002年のボストンマラソンのデータでは運動関連低ナトリウム血症になったランナーは、症状の出ない軽症の方も含めると13%もいたと報告がありました。治療は熱中症とは異なり、水はあまり飲ませずに濃い塩分のスープなどを少量飲ませることが推奨されています。重症の場合は医療機関で点滴を行います。

『喉が乾く前に水を飲め』は危ない 〜運動関連低ナトリウム血症にご注意を〜 から引用

低ナトリウム血症の症状

主な症状としては吐き気、疲労感、頭痛、全身倦怠、筋けいれん、意識障害、昏睡などがあります。
多く見られる低Na血症の原因は、大量飲水(1リットル/時以上)、下痢、嘔吐(おうと)、過度の運動、高齢、心不全、肝不全、腎不全、薬物使用などです。

第1回 ナトリウム | 栄養素から見た腎臓〜腎由来のさまざまな血症 | 腎よもやま話 から引用 赤字は追記

予防法

オリジナルの記事では、医師から教えたもらった予防法を説明しています。

・喉が渇いていないのに、ガブガブ水分補給をしすぎない。
・水分補給する時に、塩分を一緒に摂取する。
・普段から暑さに身体を慣らしておく。
・汗から失われるナトリウムは、たくさん汗をかいていくうちに濃度が減ってきます。あらかじめ暑さに慣れておくことで体から失われるナトリウム量を減らすことができます(暑熱順化)

『喉が乾く前に水を飲め』は危ない 〜運動関連低ナトリウム血症にご注意を〜 から引用

水分補給の量

水分補給におすすめの飲み物とタイミング | POWER PRODUCTION」では、運動時の参考として、下記の量を提示しています。

種類運動強度運動時間競技前競技中
トラック競技
バスケット
サッカー
など
75~100%1時間以内250~500ml500~1000ml

わたしはこんなに飲めません。何と表現して良いか分かりませが、「カラダが受け付けず、カラダに入っていかない感じ」がします。

競技終了時に、飲み足りない感じがするときが良くあります。そのときは、時間を掛けてゆっくり少しずつ水分補給をするようにしています。競技後の水分補給についても、参考値(摂取スピード)が知りたいです。

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