あなたは武術、演奏、スポーツなどで、反復練習していますか? そのとき、
- 調子が出ないのに、無理して練習を続けていませんか?
バスケットボールなら、少し練習してみてもシュートタッチが今ひとつ…
テニスのサーブ練習なら、少し練習しても普段通りには狙いが定まらない…
それなのに感覚を取り戻そうと、ムキになって練習していませんか?
調子が出ないのに、反復練習を続ける苦行は、多くの人が陥ってしまうのではないでしょうか?
それは間違いなのです。
少し練習してもダメな日は、反復練習を長々と繰り返すべきではありません。そうではなく、
調子の良いときほど、徹底して繰り返し練習する
わたしは長いこと、間違った方法で反復練習していました。
このページでは、反復練習の誤解を解き、反復練習を徹底すべきときを説明します。
最後までご覧になり、あなたの参考になりましたら幸いです。
はじめに
マルコム・グラッドウェル氏の著作「天才! 成功する人々の法則」は、2008年(日本では2009年)に出版され、「1万時間の法則」が有名になりました。
1万時間の法則を一言で言えば「熟達するには1万時間の練習が必要!」というものです。
ですが、熟達するためには練習が必要なことに疑いはありませんが、1万時間という量の根拠はない!というのが現在の認識でしょう。
・1万時間練習しても熟達しないかも
・もっと短い時間で熟達するかも
熟達には、遺伝的要素が必要という証拠は見つからず、指導を含めた練習内容こそがカギになのです。
さて、武術、演奏、スポーツなどでは反復練習が必要です。そのやり方は、
調子の良いときほど、徹底して繰り返し練習する
結果に満足できる正しいフォームを反復練習するのが正しいやり方なのです。
正しい動作を脳に刷り込むのです。
誤解
わたしは間違えて、逆のことをしていました。
うまくいかないときに(失敗する結果の)間違ったフォームを反復練習を徹底していました。
つまり、下手を覚える練習になっていました。
一度身に付けたつもりなのに再現できなくなり、焦りながら「こんなはずではない・・・」なんて思いながら苦しんでいる人もいるのではないでしょうか?
- 調子が出ないときに反復練習を継続するのは、
- 悪いフォームの反復練習になってしまう!
- 悪い動作を繰り返して脳に刷り込んでしまう!
どうしても上手くいかない日は、早めに切り上げましょう!
止める勇気が大切なのです。
正しいのは、次の通りです。
結果に満足できる正しいフォームを反復練習する
出典
「調子の良いときほど、徹底して繰り返し練習する」ことを教えてくれたのは、ライフル射撃のオリンピック金メダリスト、ラニー・バッシャム著「メンタル・マネージメント―勝つことの秘訣」です。
ラニー・バッシャム氏は、ライフル射撃の選手ですが、本書はライフル射撃に限らず反復練習の価値をていねいに説明してくれています。
本書全体は、反復練習に限ったことではなく、本番でパフォーマンスを発揮するためのガイドです。
メンタルマネージメントという言葉がタイトルにあるので、心理的なことばかりだと想像されるかもしれませんが、そのようなことはありません。
もっと実践的なアプローチが、スポーツや楽器演奏のために書かれています。
目次を転載します。
第2章 勝者はなぜ勝つか
第3章 勝つことに導く要因は何か―意識、下意識、セルフ・イメージとは?
第4章 勝つことの秘訣―トライアード状態をめざして
第5章 「意識」の輪を大きくする
第6章 リハーサル―一番よく使われる精神的道具
第7章 「下意識」の輪を大きくする
第8章 「セルフ・イメージ」の輪を大きくする
おわりに
「調子の良いときほど、徹底して繰り返し練習する」ことの大切さを説明いたしました。いかがでしたでしょうか?
ところで、「才能を開発したいなら、深い練習を通じて脳を鍛える必要がある」という言葉に要約される、ダニエル・コイル著「才能を伸ばすシンプルな本」は、熟達にフォーカスした内容といえるでしょう。
出版社のサイトから秘訣(目次)を転載します。
秘訣4 メモをとる
秘訣5 すすんでバカになる
秘訣14 腕時計をはずす
秘訣18 1週間に1時間より、1日に5分を選ぶ
秘訣21 具体的なイメージで考える
秘訣25 練習スペースを縮小する
秘訣30 仮眠をとる
秘訣33 本から学ぶには本を閉じる
秘訣38 くたくたになる前にやめる
秘訣44 汗水たらして努力する
秘訣45 1時間の実戦のために5時間の練習をする
秘訣47 教える人ほど上達する
秘訣48 最低8週間は根気よく取り組む
秘訣49 行き詰まったら、やり方を変える
秘訣51 大きな目標を内緒にしておく
あなたの才能は、まだまだ伸びます。