LSDを検索すると最初に出てくるのは薬物ですが、当然、麻薬のLSDではなくトレーニングの一つである、ロング・スロー・ディスタンス(Long Slow Distance (LSD))についてです。
LSD ( Long Slow Distance )
「ゆっくり長い時間(距離)走れば持久力が付く」と、80年代には知っていたのですが「どれくらいゆっくり?」とか、「どれくらいの時間(距離)?」かは分かりませんでした。「楽に会話ができる程度」などと感覚的な表現では、今一つよく分かりません。
当時は、苦しいトレーニング、身体に負担のあるトレーニングこそ効果があるような認識(誤解)でしたし、クラブ活動等もそのようなトレーニングをしていたと思います。だから「どうして、とても楽なゆっくりしたペースで、持久力が付くのか?」という疑問を持っていました。
効果
便利な世の中になったので、LSDについて調べたところ、その効果は次の通りでした。
- 全身持久力の向上(毛細血管の発達)
- 筋持久力の向上(遅筋の発達)
- 疲労回復
80年代よりは、わたしも少しは賢くなっていたこともあり、効果がここまで細分化されると直感的に理解できました。
トレーニング方法
更に、LSDトレーニングのやり方も簡単に調べることができました。
どれくらいの時間(距離)?
1時間以上(あるいは10km以上)を目安に、30分〜120分程度。
どれくらいゆっくり?
心拍数は次の式で計算できます。
([最大心拍数] − [安静時心拍数]) × [0.5(運動強度)] + [安静時心拍数] bpm ( beats per minute )
心拍数の測定や運動強度の話は長くなるので、また別の機会に。ここでは簡単に。
最大心拍数 | 最も速い限界値 |
安静時心拍数 | 安静にしているときの心拍数 |
0.5(運動強度) | LSDトレーニングの運動強度が0.5という意味 |
最大心拍数について、下記の記事に書きました。
安静時心拍数の測定方法について、下記の記事で書きました。
試走
感想
実際に計算してみると心拍数は、126bpm(= (200-52)*.5+52)に維持することが分かりました。 平坦な運動場もすぐそばにあり、リアルタイムに計測できる腕時計型の心拍計を持っているので、試走しました。
ウォーミングアップに数百メートル走る必要がある
心拍数は呼吸数に比べるとゆっくりとしたペースで上がるので、ウォーミングアップで結構な距離を走ることになります。
心拍数の維持は容易
心拍数の維持は容易ですが、うっかり油断すると調子に乗ってペースが上がり高くなるか、ぼーっとしてペースが下がるので、頻繁に心拍計を見ていました。平坦なコースがなければ、心拍数を維持するのは面倒だと思います。
退屈
ゆっくりなペースなので、他のことが出来る程度の負荷ですが、走っているので何も出来ません。1時間を目安に走り出したけど、退屈なため45分でやめてしまいました。
フォームに気遣わないといけないかもしれない
事前に目にしたところでは、ランナーは「ランニングフォームが崩れないように」とか「接地時間が長くならないように」とか「下を向かないように」などの注意がありました。
確かに、LSDのためのフォームになる危険があると思います。そうならないようにLSD終了後、数本ダッシュしています。
心拍数の維持
LSDは、わたしにとっては効果があるように感じます。しかし、よくトレーニングを積んだ人(ランナー)には効果的なトレーニングではないらしいです。
安静時心拍数を測り直してみると、LSDの効果で5bpm減少し47bpmになっているので、LSDの目標の心拍数を計算し直すと123bpm( = (200-47)*.5+47)になります。
(計算式から明らかですが)安静時心拍数が5変わっても、目標の心拍数は3しか変わらない。心拍数については測定誤差があるし、体調の影響もあります。そのため、LSDにおける目標心拍数の維持は、それほど神経質にならなくても良いのではないでしょうか。 わたしの場合、120〜130bpm程度のコントロールでも良いのではないかと考えています。