- いつかルール改正で、フリースローが1本になるかもしれません。
- 歓迎しますか?
- それとも、困りますか?
どんなスポーツでも、競技規則は更新され続けます。ルール変更により、公平に/スピーディに/観ていて楽しいモノになっていくでしょう。
一般のプレイヤーにとって歓迎されるルール変更もありますが、望まないルール変更や、(一時的かもしれないけれど)混乱を招くルール変更もあります。
1本から3本与えられているフリースローが、いつでも1本(入れば1点〜3点)になるルール変更をあなたは歓迎しますか?
わたしは歓迎しません。フリースローをしている間の休憩や相談ができなくなるし、ゲームのドキドキ感やワクワク感が失われる気がします。
この記事は、「フリースローが1本になったら?」に関する駄文です。
フリースローが1本になる?!
バスケットボールでは、NBAなどで使われているルールが時間を掛けて、国際ルールや日本のルールに反映されていくことが多いです。
NBAの試み
Gリーグでは、試験的にフリースローを1本にするみたいです。Gリーグで上手くいけば、NBAへ。そして、NBAで上手くいけば国際ルールへ、という流れになるかもしれません。
NBA Gリーグは9月26日(日本時間27日)、2019-20シーズンで試験的ルールとして、フリースローの試投数を変えることを発表した。
Gリーグ、試験的ルールでフリースローの試投数を変更 から引用
このルールでは、通常のルールでは1本から3本与えられるFTが1本となり、その1本が1点から3点に値する。つまり、通常ルールで2本のFTが与えられるケースでは1本のFTが決まれば2点となり、3本のFTが与えられるケースでは1本のFTが決まれば3点となる。
なお、第4クォーターの残り2分以降やオーバータイムでは適用されない。
時間で試合が進行するスポーツ(サッカー、ラグビー、アメリカンフットボールなど)では、試合により掛かる時間が(長く掛かったり、短くなるような)不安定になることを嫌います。さらに商業的に時間短縮は、とても納得ができます。
フリースローは時間が止まるので、商業的に無駄に思えるのでしょうか。止める時間を短くするために試投本数を減らそうとしているのでしょうか。ドワイト・ハワードのフリースローが退屈なのでしょうか。
プレイヤーにとって、フリースローの時間は貴重なのです。
- 呼吸を整えて、次のプレイに備えているプレイヤーがいます
- フリースローに参加していない選手(2名)は、何らかのコミュニケーションを取っています
- コーチやベンチとコミュニケーションしている場合もあります
- 相手選手の表情や、ベンチとのコミュニケーションに耳を傾けています
これらのすべてが失われるのは、とても困ります。
そして、問題は「なお、第4クォーターの残り2分以降やオーバータイムでは適用されない。」の部分です。
「結局、試合の大詰めでは、従来通りにしたいのかい?」と文句をつけたいです。最終局面で従来通りなら、それ以外の時間帯も従来通りを望みます。1本打つのと3本打つのでは、3回くり返すのではなく、まったく異なるプレーだと思うのです。
テーブルオフィシャルズのことを考えても、歓迎できません。
第4クォーターの残り2分以降
現在、国際ルールや日本のルールでも、最後の2分は、得点したらスローインするまで時計が止まります。(それ以外の時間帯では、時計は止まりません)
市民大会では、これが厄介なルールで度々ミスを目撃します。帯同審判が気にしていないときもあるし、テーブルオフィシャルズがうっかりしている場合もあります。
接戦ならまだしも、ワンサイドゲームではテーブルオフィシャルズの集中は切れています。40分の作業の最後に、タイマーの操作を変えるのは困難を伴います。
ワンサイドゲームになってしまえば、プレイヤーでさえ(論理的に逆転がムリだと判断した時点で)時間が止まらなくても気にしないでしょう。
そんな最後の2分間だけ、フリースローの試投数が変更になっても無駄に複雑なルールではないでしょうか。
14秒ルール
14秒ルールが招いている状況も似ていると思います。扱いにくい、無駄なルール変更に感じています。
市民大会では、14秒ルールも厄介で度々ミスを目撃します。24秒クロックのリセットが、24秒のときと14秒のときがあるからです。
場合分けのルールは、間違いの元になります。
その上、オフィシャルズの器具が14秒リセットできない場合には、その大会は旧ルールで行っています。
バックコートの8秒は、審判が数えているので、「フロントコートに入ったら14秒」というルールにすればいいのに。そうすれば、プレイヤーにも審判&オフィシャルズにも、理解しやすくて扱い易いルールになっただろうに。
複雑さが減る
当たり前ですが、フリースローが1本になると、起こりうる結果のパターンが減ります。そうすると、やることや考えることが減ります。
いくらでも例を考えられますが、少し挙げれば次のようなことが考えられるでしょう。
- 全部入れば逆転したのに、入れられなかったから1点負けている状況になった
- 第3ピリオドの終了間際、2本目はわざと落として(リバウンド&ショット)1点多く取ろうとした
こうした複雑さが減ってしまうと、競技の楽しさも減ってしまう気がします。
他にもある
Gリーグで試験運用されるルールは、他にもあります。
トランジション・テイク・ファウルやアドバンス時(第4Qとオーバータイム残り2分以降にボールをフロントコートに進める状況下)のショットクロックの14秒リセット、オーバータイムの2分制、プレイとは関係ないところでのファウル、リセット・タイムアウト(第4Q残り2分と延長中ではタイムアウトを取ってボールをフロントコートに進め、選手交代も行なうことができるが、チームで集まって作戦を立てることはできない)と、導入済みの試験的ルールは継続される。それ以外のルールはNBAのルールと同じになる。
Gリーグ、試験的ルールでフリースローの試投数を変更 から引用
コメント