2020年1月26日、ヘリコプター事故でコービー・ブライアント氏と娘さんを含む乗客全員が亡くなりました。ご冥福をお祈りします。
ナイキも追悼メッセージを出しています。
以前、わたしはコービーが好きではありませんでした。
闘争心や真面目さが過ぎて、空回りする姿が目障りに感じていました。特に、子どもを含めた若い人達は”かっこいい姿”に憧れてしまい、”未熟な部分”や”身勝手な振る舞い”も含めて真似します。間違っているのだけど避けられない・・・教育上とても迷惑な現象です。
しかし、背番号を8番から24番に変えた頃からは、本人の素直な姿勢と努力により、子どもにも安心して見せられるブラックマンバ(Black Mamba)に昇華したように思います。
マンバメンタリティ
現役を引退した後もマンバチャレンジで楽しませてくれました。マンバチャレンジは、コービが難易度が高いテーマを掲げ、マンバメンタリティを規範としながらの取り組みです。
もしもマンバチャレンジをご存知なければ「【朝4時に起きろ】コービーによる”マンバ・チャレンジ”まとめ」をご覧ください。
マンバメンタリティは、コービーの特別優れた側面にスポットライトがあたり、どんな年代の誰にでも役に立つコービーの功績です。考え方のオリジナリティは無いかもしれないけれど、歴史に名を残した名プレイヤーが手本だからこそ、価値のあるライフスタイルではないでしょうか。
でも・・・コービーの具体的な説明では、バスケットボールばかりすることに解釈されかねないような・・・コービーに憧れる子どもたちがバスケットボールばかりしてしまう! それは困った事態だ!
マンバメンタリティのオリジナルは、ジークンドーの哲学らしい。ならば、より多くの教えが残っているジークンドーの哲学から学んだ方が良いかもしれません。
ブライアントはSouth China Morning Postの取材において、「マンバメンタリティ」はブルース・リーのジークンドー(截拳道)の哲学から影響を受けていると話した。ジークンドーの哲学から学んだ数多くのことの1つは「適応できること」だと、コービーは語る。つまり、「いかなる状況にも反応できるような、完璧な基礎的なスキルを身につけるということ」 である。
リーは生前「私が恐れるのは、1万通りの蹴りを1度ずつ練習した者ではない。たった1つの蹴りを1万回練習した者だ」という言葉を残している。
リーはコービーの人生において大きな役割を果たしており、彼に成長しようというインスピレーションを与えている。コービーはリーが書いた全ての本を読み、出演した全ての映画を観た。それらはコービーをより良い人間にする大きな手助けとなった。「ブルース・リーは、どんなときも自分を成長させるミューズの1つだった。彼が書いた本を全て読み、彼が出演した映画を全て観て、そして、彼のインタビューもほとんど全て見たと思う。彼は、知識を共有するのが本当に得意で、そして他に影響を与えたいと強く願っていた。喧嘩の仕方を習ったわけではないが、武道を通じて、良い人間になる方法を習った。それは自分(コービー)が将来の世代に受け継ぎたいことだ。」と語る。
「マンバメンタリティのルーツ」から引用
ブルース・リーの映画は良く知られていますが、もしかしたら若い人は見たことが無いかもしれません。動画配信の状況は、「【追悼 コービー・ブライアント】マンバメンタリティのルーツにブルース・リーあり!」に詳しいです。
ところで、ブルース・リーの著作はご存知でしょうか? たくさん出版されましたが、現在、入手が容易な日本語版は、中古に限られるでしょう。
ジークンドーの哲学に触れるには、下記の書籍がふさわしいでしょう。
次の書籍は、ブルース・リーの著作ではないですが、ブルース・リーの言葉を使ってブルース・リーの哲学が書かれています。
さて、コービーがブラックマンバとして輝き続けたことで、ホワイトマンバ(White Mamba)とレッドマンバ(Red Mamba)というニックネームが生まれ、(NBAプレイヤーとしては平凡な能力だけど)2人の愛すべき立派な選手が知られることにつながったと思います。でも日本では、あまり知られていないかもしれません。
ホワイトマンバ(White Mamba)
ホワイトマンバをご存知でしょうか? 知性とユーモアを兼ね備えたブライアン・スカラブリニ (Brian David Scalabrine)、元NBA選手です。
ホワイトマンバの知名度が、日本で今ひとつなのは、スポーツ記者、NBA好きなどの課題かもしれません。もちろん、誰にもホワイトマンバの話なんてしていない私も含まれます。
ホワイトマンバこそ、子どもや若い世代の手本としてふさわしい存在だと思います。その人柄は、セルティックスに解説者として復帰する声明文に現れているでしょう。
(省略)
「ブライアン・スカラブリニのセルティックス(解説)復帰声明文 訳」から引用
2010年にセルティックスを裏切ってシカゴ・ブルズと契約したのを覚えているかい?いや実際はエインジに残留させてと懇願したんだけど彼には「頑張ってね」と言われてしまった。私は「とても辛いな〜」って感じたんだ。
(途中省略)
この4年間で多才な自分をうまく示すための履歴書に厚みが増した。より良い選手になり、より良いコーチになり、より良いアナウンサーになり、より良いマンバになった。
(途中省略)
あとついでだから言っておくけど、私はウォリアーズでプレイしていないよ、コーチだったんだよ、みんな私がクリップボード持ってるの見てなかったの?なんで皆わかってくれないの、クリップボード持ってたから私は本当のコーチだったんだよ。
(途中省略)
最後にボストンにいた時、ファンは言いたい放題だった。自分はもう力が残っていないと言われ、1 on 1を挑まれたりした。その挑戦はスカレンジと呼ばれていたけど、そういったファンはプレイでボコボコにしたよ。
これがScalabrine + Challenge でScallenge(スカレンジ)。
ボールを持って彼らをのプライドを奪い、ホワイト・マンバがどれくらいの物か見せつけてやったよ。それからは手紙をくれたりサインを求められたりした。結婚式に招待してくるやつもいてそれはなんかちょっと気まずい感じになった。
「ブライアン・スカラブリニのセルティックス(解説)復帰声明文 訳」から引用
(途中省略)
ボストンでは与えられるものなんて存在しない。映画「ディパーテッド」でフランシス・コステロが「誰も与えてくれない。自分で掴まないといけない。」って言ってたシーンあったじゃん。あれ良かったよね。あれの舞台ボストンだよ。
スカレンジに挑む準備は出来た。ボストン、今から帰るよ。
レッドマンバ(Red Mamba)
レッドマンバをご存知でしょうか? 正確なロングレンジのシュートが武器のマット・ボナー(Matthew Robert Bonner)、元NBA選手です。サンアントニオ・スパーズで2007年、2014年の優勝メンバー。
「マット・ボナー、「引退ビデオを作ってみた」|TunaDrama」をご覧になれば、彼の人柄を窺い知ることができるでしょう。
「【バトル・オブ・マンバ】スカラブリニとボナーがシューティング対決!!|TunaDrama」でも紹介されているように、ホワイトマンバとレッドマンバが愉快な対決をしています。
おわりに
日本でホワイトマンバ、レッドマンバの人気が上がるなら、バスケットボールがホンモノの人気スポーツになるような気がしています。
さて、ブラック、ホワイト、レッドと続いたのなら、次はイエロー? わたしはイエローマンバとして生きることに決めました!
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