ワールドカップ2019公式試合球の使用感

見た目もゴージャスなBG5000

バスケットボール、ワールドカップ2019の公式試合球にもなっているBG5000の購入を検討していますか?

この記事では、BG5000の使用感をお伝えします。わたしは、ほぼ新品のBG5000を練習で1回使っただけですが、概ね気に入っています。だからと言って、これから各大会で使用される試合球にBG5000が加わることを歓迎するには、複雑な心境です。検定球ですから、それほど単純に考えてはいけない気がします。それほどまでに、これまでの12面体GL7Xとは大違いの感触です

この記事では、BG5000の使用感の他、検定球に求めることを述べました。あなたの購入の参考になれば幸いです。

なお、本記事では個人的な使用感が含まれますので、すべての方に当てはまるものではありません。

製品ラインナップ

BG5000は、芸術的な模様が入っているワールドカップ記念の「BG5000 ワールドカップ2019モデル」と、模様の入っていない通常の12面体「BG5000」の2種類の製品があります。

BG5000でさえ、現行のGL7Xに比べて2,5%ほど高価なことが気になります。新しいモデルが出るたびに価格が上がっていく気がします。記念モデルはさておき、モルテンさんの検定球は、世界中人がスポーツを楽しむためのものです。それなのに、スポーツを楽しむためには不可欠な道具が、ゆっくりだけど確実に高額になることは喜べません。

記念モデルは、スポーツを楽しむための最低限の道具ではありませんので、希少価値や高級素材、手間の掛かる加工などプレミアム商品として高額であることに賛成します。

品番品名価格
B7G5000-M9CBG5000 ワールドカップ2019モデル¥14,364(本体価格:¥13,300)
B7G5000BG5000¥13,284(本体価格:¥12,300)
BGL7XGL7X¥12,960(本体価格:¥12,000)

BG5000とGL7Xは、6号球(BG5000, GL6X)もあります。記念モデルの6号球はありません。

特設サイト

特設サイトにも掲載されていますが、30秒ほどのプロモーション動画が用意されています。最後は「molten for the real game」で締めくくられていますが、モルテンさんはホントにそう思っているのでしょうか? そんな邪推はさておき、動画からは新しいボールの改善点も、特徴も分からないです

どなたに向けての動画なのでしょうか? 

とは言え、特設サイト内には文章で改善点が表現されています。YouTubeからも視聴できるというだけで、特設サイト用の動画と考えれば納得できます。

molten | FIBA OFFICIAL GAME BALL "BG5000"

特設サイトでは、「新品の状態でもコントロールしやすい」ことを掲げ「汗によるすべりの抑制とより良いやわらかさの実現により、新品時のコントロール性能も向上しました」としています。具体的には、「コントロール性能の向上」として次のように説明しています。特設サイトからの引用です。

  • 01 汗によるすべりの抑制
    • 汗がついた手でもすべりにくくなるよう、表皮に当社従来品と異なる加工を施しています。
  • 02 グリップ性能の向上
    • 新シボ形状を採用し、シボ1つ1つの上面の平均面積を大きくしたことにより、指先との接地面積が拡大し、グリップ性能が向上しました。
  • 03 より良いやわらかさの実現
    • 内部構造に改良を加え、発砲ゴム層を従来費で35%増やしました。
    • また新たにEVAフォームを採用しています。
    • より良いやわらかさを実現し、よりつかみやすくボールコントロールがしやすくなりました。

そもそも、これまでの多く使われているGL7Xの最大の問題は、「新品のときすべり過ぎて、使い物にならない」だと思います。周囲からも同様の声です。「汗によるすべり〜」ではありません

「実際、新品のときから使えるのか?」は後で述べます。

外観、手触り

とっても美しいボールです。これまで、こんなに美しいボールはなかったのではないでしょうか。派手さの無いオトナの落ち着きがある美しさです。でも、バスケットボールってそんなスポーツでしたっけ?

手に取ってみるとまるで、高級ファッションブランドの普及シリーズのような美しさです。つまり、人気と実績のあるブランドが出している、低価格帯(といっても十分に高価な)シリーズのような落ち着きのある外観と手触りです。

実際、ブランド品ですし、ファッションブランドに近い価格かもしれません。

ファッションブランドと捉えると「天然皮革であるので、動物保護団体から苦情が出るのではないか?」と心配になるくらい、きれいです。これはホントに天然皮革?と思わせるような、質感のある人工皮革風な見た目と手触りです。特設サイトでは、「天然皮革の美しい風合いを実現」として次のように説明しています。特設サイトからの引用です。

  • 01 焼印印刷
    • 天然皮革の美しさを引き出すため、各ロゴ部分には焼印印刷を採用しています。
  • 02 新色の天然皮革とチャネル
    • 天然皮革の美しさを引き出す新色を採用しました。
    • また、チャネルにも天然皮革との相性が良い色を配しました。
  • 03 新シボ形状
    • 天然皮革の美しさを引き出す新シボ形状を採用しました。

というワケで、外観と(プレイ以外での)手触りはエクセレントです。でも、視認性はともかく、バスケットボールに過ぎないのだから、外観とか(プレイ以外の)手触りなんてどうでもいいのかもしれません。

焼印印刷

殺されて、加工されてからも焼き印を押されるとは・・・ 冒頭の写真でもお分かりのように、天然皮革のパネルの色合いと、焼印印刷されたmoltenとFIBAの文字は、とても良くマッチした美しい刻印になっています。これまで見た中で最高傑作だと思います。

名入れ(ネーム入れ)

さて、横浜の老舗クラブチームのご協力で、名入れ加工品の写真を掲載します。

名入れ加工についての詳細は伺えなかったのですが、「焼印印刷のサービス」はないのでしょうか? なお、通常の「ネーム加工」サービスについては下記の記事をご覧ください。

美しさにこだわると、チーム名の雰囲気が今ひとつマッチしていないように感じます。でも、BG5000の文字とはマッチしてますね。

美しさにこだわるのなら、是非、焼印印刷のサービスを用意して欲しいです。想像に過ぎませんが、焼印だとボールに加工する前に、焼印印刷しないとならないような気がします。だとすると、「焼印印刷のネーム加工」サービスが可能であっても、費用も時間も掛かると予想します。

使用感

プレイすると、使ったことが無いフィールに戸惑います。「スポルディングに似ている」という意見もあります。

しかし、人工皮革のように最初から使えるボールです。すべってイライラすることはありません。GL7Xで悩まされ続けている、すべって使えないボールとは、比べ物になりません

空気圧が高くても、カチカチな固くて扱いにくいボールにはならないでしょう。宣伝文句通りの「より良いやわらかさ」が実現されています。私的には、やわらかさが「厚い表皮によるやわらかさで、少々感触がぼやける」感じがしますが、「初めて使う&新品」を考慮すると、素晴らしい改善だと賞賛します。

しかし、率直なところ「何で、また新しい感触のボールを使わされるのだろう?」と思います。

A:誰のための新しいボールなんでしょうね?
B:業界が儲けるための(ニヤリ)

ジャンプボール直前のトラッシュトークから

モルテンさんの検定球発売までの期間がすごく長くて、満を持して登場した新製品なら歓迎したことでしょう。そのような状況なら、このBG5000を使い慣れるように努力します。しかし、どんなに良いボールでもこれまでの経緯を考えると「これもまた変わるのかなぁ」と思い、だるい疲労感を感じます

形状

パネルのつなぎ目が深いです。固いコアにやわらかい外装をまとったような感触のボールで、天然皮革のパネルの厚みを感じます。パネルはつなぎ目にむかって、なだらかに傾斜して、谷のゴムが深いです。

谷のゴムの深さは、特設サイトの冒頭に掲載されている写真の方がより分かるかもしれません。

谷のゴムが深いためか、特にシュートを打つときに、とても違和感があります。手の小さい人程違和感があるのか、パームシューター(手のひらを使うシューター)が特に感じるのか、かなりの割合の人が違和感を感じていました。

それでも、練習時間が経過していくうちに、多くの人のシュートタッチが安定していくように見えました。わたしも当初はとても違和感がありましたが、神経質にならず、違いを意識しないように(無造作に)扱えば良さそうに感じました。

耐久性、メンテナンス

発売されたばかりの製品ですので、もちろん耐久性は分かりません。しかし、外観と手触りから受ける印象は、摩擦に弱そうな革に見えます。

ところで、使用している天然皮革「PREMIUM LEATHER」は、吸水性能があるらしいです。

吸水性能が高い天然皮革を採用しボールの機能を向上しています。そのためボールを濡れたままの状態にしておくと天然皮革の色が落ちたり色移りをすることがあります。ご使用後には風通しが良く湿度が低い場所でボールを保管ください。

製品説明 から引用

これまでの天然皮革ボールは、汚れたらクリーナーを使いますが、クリーナーを吸い込むような気がします。残念ながら、製品説明ではメンテナンスに言及していません。どうすればいいのでしょう。水ではありませんが、きっとワックスも吸い込みますよね?

印象としては、メンテナンスしなくても、そこそこ長い間使えそうに感じます。しかし、分かりません。モルテンさんに問い合わせしたいところですが、今度は回答をいただけるのでしょうか。以前、Webサイトから問い合わせしましたが、何も反応がありませんでした。一般消費者は相手にしれくれないのかもしれません。

結論

NBAでは何年か前に、試合球を天然皮革のボールから合成皮革のボールに一度変えました。だけど選手からは不評が続いていました。

リーグは、天然皮革のものをドリブルマシーンで2万回ドリブルして試合球を用意したりと、手間が掛かるので、安定して供給できる合成皮革に変えたかったのでしょう。選手は、使い慣れているボールを使い続けたかったのでしょう。

選手の不評が続く中、あるとき、スティーブ・ナッシュの手がボールで切れました。それだけで、天然皮革のボールに戻すには十分な出来事だったとか。スポーツの道具が変更されることは、選手にとってはとても負担のある出来事なのです

この話の出典を探しましたが、見つからないです。もしかしたら、わたしの記憶違いで、間違いが含まれているかもしれません。その場合、申し訳ないです。

検定球はスポーツの道具である

選手は継続して努力を重ね、上手くなろうとしています。その日々の練習では、環境として検定球が存在しています。

「グリップ性能が向上した」みたいな定量化による装飾で、「より良いボールができました!」とされても、ボールを使いたくないと思います。「このボールでも練習しなければならないの・・・」と思うのではないでしょうか? 少なくとも私は、新しい感触のボールを使わなくて済むのなら、使いたくありません。

「より良い製品ができました!」は、測れるものを測っただけの製造の話ではないでしょうか。熟練を目指して鍛錬している人たちにとっては、「新しい感触のボールを使いこなす」という修行が増えることになると思います。

だから、毎回の世界レベルの大会に合わせて、新しい感触のボールが販売開始されたら、「誰のための新しいボールなんでしょうね?」と感じます。

それでもいい製品かもしれない

これまでの経緯から新しい感触のボールは心理的に拒絶したくなりますが、今回、販売開始されたBG5000は、それでもいい製品かもしれません。これまでのGL7Xの問題点がすべて解決されているかもしれません。GL7Xについての雑感は下記の記事をご覧ください。

私は次に購入するボールをBG5000に決めました。美しい見た目のBG5000を、なるべく早く入手して、新しい感触に少しでも早く慣れるように練習します。耐久性とメンテナンス方法は、使えば分かりますので、遅くとも2, 3年後には明確になっていることでしょう。

GL7Xの購入を検討されているのなら、BG5000にすることをオススメします。

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