モーターサイクル(自動二輪車)のヘルメットがどのようなものか、ご存知でしょうか?免許を持っていても、乗っていない期間が多少でもあれば、道具の進化に驚くことでしょう。
モーターサイクルを良く知らない方にも理解できるように、ヘルメットを説明しましょう。
日本には、世界一流のメーカー(YAMAHA, Kawasaki, SUZUKI, HONDA)が4社もあるのに、モーターサイクルが社会に受け入れられているとは、残念ながら、到底感じられません。駐輪場は少なく、高速料金は軽自動車と同じなど、むしろ、しいたげられています。
それでも、わたしは乗り続けます。特にオススメすることはありませんが、存在は理解して欲しいです。
曇り止め
寒い季節には、ヘルメット内の温度と外気温の差でシールドが曇ります。従来は、曇り止めを塗るなどのメンテナンスで、しのいでいました。
現在は、ピンロックシート(PINLOCK)という優れた製品があります。ヘルメットメーカーがシールドの内側(左右2カ所)に設けたピンに、一回り小さいシールドを固定します。
シールドで挟まれた、密閉された空間を設けることで、曇りを軽減します。さらに、追加したシールドには特殊加工(多分、吸湿)が施されていて、まったく曇りません。
ピンロックシートは、高く評価されているので、ヘルメットのモデルによっては標準添付されています。装着は、多少コツが要ります。販売店で装着してくれるところもあります。
シールドは、汎用品ではないので、ピンロックシートも汎用品ではなく、専用品です。シールドにロック用のピンがなければ装着できません。
サングラス内蔵
日射しがまぶしいとき、従来は、シールドを変更するか、メットをかぶってから、サングラスを掛けていました。現在は、ヘルメットにサングラスが内蔵されているモデルが人気です。
左手で、耳たぶを押し上げるかのように、レバーを動かすことで、サングラスが降りてきて、耳たぶをなで下ろすようにレバーを動かせば、サングラスがしまわれます。
日差しが傾く冬の季節、夕方に首都高を横浜方面に走ると、サングラスなしでは、行き先表示板がまったく見えなくなります。自動車専用道路では、減速するのも危険を伴いますので、大変重宝する機能です。
夏の日射しがまぶしいときにも、もちろん使用します。急にトンネルに差し掛かっても、慌てずにレバーを操作することで、サングラスがしまわれます。
サングラス機能をショーエイ(SHOEI)は内蔵し、アライ(ARAI)は外装しています。内蔵した方が見た目スッキリですが、構造上、品質規格で劣ります。外装は下の写真をご覧ください。
わたしは、これまでアライを愛用していましたが、サングラス内蔵の機能が欲しくて、ショーエイに変えました。
シールドの交換
従来、シールドの固定は、大雑把に言えば、シールドをマウントして、その上から固定する部品を取り付けていました。
現在は、外れる部品が一つもありません。交換手順に従い、カチカチとマウントしていけば、固定されます。一見簡単そうな仕組みに感じるかもしれませんが、運転中にシールドを開けても、決して固定が外れないように、安全面の条件をクリアした上で、固定部品を無くすのは、大変だったと思います。
風切り音
ヘルメットは密閉してしまうと、静寂かもしれませんが、安全上必要な音も聞こえなくなります。しかし、安易に外部の音を取り入れると、不要な風切り音がします。風切り音は、高速になればなるほど、うるさくなります。
そのため、二人乗りする旅行者は、無線や有線で通信して会話しています。それほど、騒音がします。この問題はまだまだ改善する余地がありそうですが、確実に進歩しています。
空気抵抗
法令に従うと、運転中「目視での確認」が義務付けられている場合が多々あります。高速道路で車線変更するときに、目視で確認すると、空気抵抗で首に負担があります。
空気抵抗の改善は、ゆっくり確実に進歩していますので、現在は、驚くほど首に負担がありません。
内装の洗濯
内装が取り外せて、洗えるのは、古くから実現されています。それでも内装の固定方法は、より簡単&確実に改善され続けています。
大きさ、軽さ
ヘルメットの第1の目的は、万が一のときに、アタマを守ってくれることです。そのためには、衝撃に耐えられなければなりません。
しかし、頑丈にすると、大きく&重たくなるので、材料と構造を工夫して、より小さく&より軽くしています。外部のペイントさえ、強度の一部になっています。近年の大きな改善は、短くなりました(アゴすれすれの深さしかありません) アゴがはみ出す人はいないのでしょうか?
アタマの形に合わせて、フィッティングしてくれるサービスがあります。アゴがはみ出す人は、大きいサイズに詰め物(オプションパッド、ウレタン)をして、調整してくれます。
SHOEI GT-AIR
写真のモデルは、もう手に入らないと思いますが、「SHOEI GT-AIR」で探せば、同様な機能のモデルがあるでしょう。ヘルメットは生産量が少なく、毎シーズン、ニューモデルが発表される商品です。
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